秋の夜長に・・・。

皆さんこんにちは。今回は井野が担当します。
もう11月ですね。すっかり秋です。秋と言えば色々な秋がありますが、今回は読書の秋という事で、またお勧めの本を紹介します。



<あらすじ>
目の見えないミチルの家に、殺人容疑で警察に追われたアキヒロという男が逃げ込み、気付かれないように潜み始める。数日後、ミチルは誰かがいることを確信するが、「もし悪い人で、襲われるようなことがあったら、舌を噛み切って死ねばいい」と思い、気付かないふりを続ける。そんな二人の奇妙な共同生活が始まった。 

最初この本を手に取った時、表紙が怖かったので、これはホラー小説なんだろうか。と読むのをためらっていた時がありました。(実際に作者の乙一さんはホラー小説も書きます。)
ところがどっこい。 これを初めて読んだのは中学生の時なんですが、今でも「ああ・・・。いい話だったなぁ。」と 感じます。ミステリーあり。ヒューマンドラマあり。ほんの少しのラブロマンスあり。
殺人容疑の犯人が自分の家にいるなんて(しかも主人公は目が見えない)ホラー以外の何物でもないじゃないか!と感じるでしょうが、ある場面でアキヒロが取った行動が素敵なんです。

ミチルはある日、棚の上から普段は使わない皿を取り出そうとします。椅子に乗り取ろうとしましたがバランスを崩し、転落します。その時、大きな土鍋が彼女を直撃しようとしたのですが、気が付いた時には、土鍋はテーブルの上に載っていました。アキヒロがミチルをかばうために、土鍋を受け止めたのです。そんな事をしてしまったら、自分という存在が知られてしまうにもかかわらず・・・。

ここで、思わずミチルの口から「ありがとう」の言葉が洩れました。殺人犯だと確信しているアキヒロに、自分が存在を知っていることを明かしてしまったのです。 
その後ミチルは、夕食に二人分の食事を作り、テーブルに並べました。会話を交わすことなく、アキヒロは食べます。以降、テーブルの上には、二人分の食事が用意されました。

最初はサスペンスホラー。中盤で湯たんぽを抱えたような温かいヒューマンドラマ。終盤のミステリー。そして最後には、淡い光を感じさせてくれるような作品です。

秋の夜長にいかがでしょうか?ぜひ読んでみて下さい。.。゚+.(・∀・)゚+.゚ 

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