認知症と歯は関係あるの?
- 2017.08.2 | スタッフブログ
「どこに行くんですか」と車内で何回も聞くある施設の患者さん。
「今から歯医者に行くんですよ」と何回も答えるワタシ。
また「ホホホのホ!」言いながら、
車窓から外の景色を食い入るように眺める別の施設の患者さん。
最初の頃は認知症というのを聞いていたので、
話しても無駄だと思って一言も話さず黙って送迎の運転をしていたんです。
ところが、
何かのきっかけで色んな話をするようになったら、
本当はおしゃべり好きだったんですよ。
どこで生まれて、こんな所で育って、若いころはこんなスポーツをやっていたとか、
見舞いにはこんな人が来るとか・・・。
意外なほど昔の記憶は鮮明に覚えているんです。(今現在のことは忘れているようですが)
はたまた、
「私はボケてるから人のことを気にしないからいいわ」とか、
「頭はボケてるけど、からだはどこも悪くなく健康ですよ」
と自分で言われます。
最初は毛嫌いしていたのが、
今はこのおばあちゃん達に愛着が湧き、できるだけ話しかけるようにして、
笑顔になるのが、とっても素敵なんです。(認知症の方は笑顔にするのが良いらしいです)
(施設ではほとんど話さないそうですよ)
そんな認知症の方って、「歯」とどんな関係あるのか・・・とフト疑問に思ったら、
やっぱり「認知症」と「歯」は大いに関係があったんですね。
神奈川歯科大学が65歳以上で介護認定を受けていない約4400人を対象に、
歯と認知症に関する調査を実施したそうです。
その結果、
「歯がほとんどなく、しかも入れ歯を使っていない人」は、
「歯が20本以上ある人」に比べて約2倍ほど認知症になりやすいことが分かったそうですが、
「歯がほとんどない人で入れ歯を使っている人」は、
「歯がほとんどなく、しかも入れ歯を使っていない人」に比べて、
40%ほど認知症のリスクが低くなるみたいで、
自分に合った入れ歯を入れることで認知症の予防になるみたいですよ。
やはり「かめない」ということは、
それだけで脳への刺激が減り認知症になりやすい可能性もありますし、
食事内容が制限されることで栄養不足になり、
それも認知機能の低下に拍車をかけるようですね。
やっぱり「歯の残存本数・かむこと」と「認知症」の関係はあるようですよ。
あと歯磨きを怠ることも認知症の遠因になるようで、
歯磨き嫌いにより歯が無くなって、認知症が進むこともあるし、
認知症になることで、歯磨きができなくなるみたいですから、
歯の状態を良好に保つには歯磨きだけでなく、歯科への定期的な受診が欠かせないようです。
毎月一回定期的に送迎でやまさき歯科に来院するお二人の患者さん。
自分では歯医者に行っていることを認知していないかもしれませんが、
いつも歯と口の状態を良く保つことで、健康と笑顔でこれからも長生きしてくださいね。
今日の担当はYOSHIDAでした。